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てがみ その2 [マイブーム]

『秒速5センチメートル』の内容で、どうしてそうなったのか分からない部分があってモヤモヤしていると、アニメでは描かれなかった部分や登場人物の心境、渡せなかったあの手紙の内容が補完されている『小説・秒速5センチメートル』が出ているのをしばらくして知ってしまった。そうなるとどうしても読みたくなって仕事も手に付かない。また切なくなってきた。

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お母さん、今日は泣いてもいいですか?


『秒速5センチメートル』ストーリー
小学校の卒業と同時に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。二人だけの間に存在していた特別な想いをよそに、時だけが過ぎていった。そんなある日、大雪の降るなか、ついに貴樹は明里に会いに行く…。貴樹と明里の再会の日を描いた「桜花抄」、その後の貴樹を別の人物の視点から描いた「コスモナウト」、そして彼らの魂の彷徨を切り取った表題作「秒速5センチメートル」の3編を収録した連作短編。

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この『秒速5センチメートル』とHYの『てがみ』によって昔の事をとても久しぶりに思い出した。俺も小学5年になる時に転校した。あと数日で引っ越さなければならない最後の終業式も終わった春休み、何故そこを選んだのか科学技術館という所へ、ずっと好きだった同じクラスの女の子を初めて誘った。もう途中の内容はほとんど覚えていないのだが・・・。そして最後は大した別れのあいさつもせずに、彼女が帰って行く後ろ姿を見送ったのを今でも覚えている。それが、俺が彼女を見た最後の姿になった。

時間経過と共に思い出は美化されているが実際駅からの帰り道、帰る方向は一緒で家も近いのに彼女は俺の一瞬の隙を突いて、途中で俺を置いてサッサと歩いて帰って行ってしまった。俺は彼女のかなり後方を仕方なくトボトボ歩いて帰った。

今思えばスタコラサッサと帰って行たって事は、嫌われてた?やっつけ仕事?もしかして何か習い事の時間でも?それとも科学技術館、つまらなかった?



それから年賀状のやり取りは数回あったがやがてそれもなくなり、さらにそれから数年が経って彼女の事もすっかり忘れてたある日、1通の手紙が彼女から届いた。

「お久しぶりですね。お元気ですか?私の事おぼえていますか?・・・」

最後に、「もしよかったらこれから文通しませんか?」と書いてあった。

久しぶりに手紙が届いた事に驚いたがその時は嬉しく思った。でも思春期のせいか照れ臭くて女の子と手紙のやり取りなんか出来る訳もなく、驚いたついでに返事さえ書かなかった。何を書いたらいいのか分からずに書けなかったが正解かな。もらった手紙を最後に完全に連絡が途絶えた。そういえば最後に届いたあの手紙、どうしただろう?
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文通かぁ。今は死語なのか?若いねぇちゃんに「文通しない?」ってお願いしたら、生きた化石って呼ばれるだろうか。

あれから長い月日が流れて、そんな思い出もすっかり忘れていたが『秒速5センチメートル』とHYの『てがみ』のダブル効果で20数年振りに俺の甘酸っぱい恋の記憶も思い起こされ、昔の思い出にふけっている。忘れかけた思い出を思い出すため、数少ない貴重な写真を探して見てみるとクラスメイトの顔はほとんど見覚えがある。28年振りだというのに、顔と名前は半数近くが一致した。(と思う。確認する物が何も無いので確信はない)幼稚園から一緒だった子も何人かいる。覚えてるぞ、懐かしい。

それより世間のお父さんお母さんたち、転校は本当に寂しいのでやめて下さい。そんなものはせめて乳飲み子の時に済ませておいて下さい。俺なんて引っ越してからしばらくは友達がいなくて寂しくて、学校から帰ってきてずっと泣いてたもん。前の学校に戻りたいって。でもすぐに友達出来て忘れちゃったけどネ。

『秒速5センチメートル』を見て切なくモヤモヤした気持ちも、HYの『てがみ』に共感したのも何となくそれらの思い出にあったんだ。しかしあの当時としては我ながら中々ませたガキだな。大人になった俺にあの時の勇気があったらなぁ。なんかウーロンハイが飲みたくなってきた。





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まちゅ

なるほど。。歌詞やストーリーに共感したのは、そんな理由があったからなんですねっ(>_<)。ほろ苦いですが素敵な思い出ですね)^o^(。私も自分が転校した時の事を思い出しました(:_;)。。
by まちゅ (2010-02-12 23:13) 

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